トリニトロン(Trinitron)とは1967年にソニーが開発したアパーチャーグリル方式のブラウン管。全世界で2億8000万台を販売。
三位一体を意味する英語“Trinity(トリニティ)”と、電子管の英語名“Electron Tube(エレクトロン・チューブ)”との造語で、ソニーの登録商標となっている。トリニトロン関係の基本特許を持つソニーの方針により、各社は製品化をすることができなかった。トリニトロンの基本特許が切れた後に、三菱電機が同じ方式のダイヤモンドトロン(こちらは3ガン式)を製品化した。
トリニトロンカラーテレビの記念すべき1号機は、1968年に発売された「KV-1310」。トリニトロン方式は、1本の電子銃から3本[2]の電子ビームを出力する、「1ガン3ビーム方式」を採用しているため、電子銃の口径を大きくすることが可能で、シャープなフォーカスが得られるといった特徴がある。
当時一般的だったシャドーマスク方式のブラウン管に比べ、低輝度でもコントラストが高く、画質面で非常に有利であった。
また、シャドウマスク方式のブラウン管は、表示部が球面を切り取った形であるのに対し、トリニトロンは円筒の一部(「シリンドリカル・フェイス」)であったため、表示のゆがみが少ない、部屋の照明が写り込みにくいといった特徴を併せ持ち、さらに見栄えも良かった。
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松下電器産業(現 パナソニック)の「パナカラー」や、日立製作所の「キドカラー」、東芝の「ユニカラー」に比べ、後発であるにも関わらず、その高画質と「ワンガンスリービーム」と連呼するCMソングによる宣伝が功を奏し、一躍ソニーを代表する商品となった。この功績が認められ、1973年には「エミー賞」を受賞している。
1980年代~1990年代にかけては、ブラウン管の色を黒に近づけることで見やすくした「ブラックトリニトロン」「ハイブラックトリニトロン」、ブラウン管をより平坦に近づけた「スーパートリニトロン」「HRトリニトロン」などか開発され、1996年には、画面を完全な平坦とし、映り込みなどを低減した「スーパー・フラット・トリニトロン」(1997年には「FDトリニトロン」となり、最終的に「スーパーファインピッチFDトリニトロン」へと進化し、これがトリニトロンの最終形態となる)が開発され、パソコン用ディスプレイとしても一般化した。2000年には全世界で2000万台を販売して最盛期を迎えた[1]。
欠点としては、価格が高く、耐用年数が短いことと、画面の上下に、アパーチャーグリルを押さえるダンパー線(ワイヤー)の影が入ることがあげられる(これを嫌う向きもある)。また構造上の理由から、他メーカーの同サイズ画面のテレビより重量が10-20%ほど重くなっていた。
なお、1985年のつくば万博には『SONYジャンボトロン』という巨大なテレビが展示されたが、これは技術的にはトリニトロンとは無関係である。
生産終了 [編集]
2007年2月時点では以下の5つの日本向け機種が生産されていたが、同年4月に生産終了。いずれもデジタルチューナーは非搭載(チューナー接続によってデジタル放送の視聴は可能)で、アスペクト比は4:3である。最後まで生産が続けられたのはKV-25DA65であった。これらがトリニトロンカラーテレビの最終機種となった。なお、トリニトロン管を使用した業務用のビデオモニターについてもすでに生産終了となっている。
中南米向けにはシンガポール工場で生産した機種を2008年3月まで生産していたが、これも生産を終了。トリニトロンの生産を完全に終え、41年の歴史に幕を閉じた[1]が、「トリニトロン」というブランドの商標権は、現在でもソニーが引き続き保有し続けている。